ドラレコの効用①
当弁護士事務所は無料の法律相談を受け付けており、私が所属する交通事故専門チームにも日々新たな相談・問題をいただいています(ただし、被害者側の方々の相談・依頼を基本としています。)。 最近は、それらの相談・検討依頼の参考資料として、ドライブレコーダー(ドラレコ)の映像が送られることが多くなりました。 その映像の多くは相談者車両の搭載機器によるものですが、相手方車両や、相談者車両の後続車両(知人運転)の搭載機器である場合もあります。 これらは、事故直前・直後の現場付近の交通状況(道路幅や見通し、人・車の行き来など)のほか、相談者車両及び相手方車両双方の走行状況、事故発生に至る経過、衝突の態様やその程度などを客観的に、映像の解像度によっては細部に至るまで映し出しており、これらを視聴するたびに、私は、ドラレコが普及して活用されれば、第三者の目撃証言に頼らない客観的で説得的な事故態様に関する認定が容易になる、事実認定を誤るリスクがかなり回避されると期待するのです。 ドラレコが登場する以前は、例えば、信号機が設置されている交差点での出会い頭の衝突事故で運転当事者の対面信号の表示に関する言い分が食い違う事例の場合、幸運にも第三者である目撃者が存在し、かつその方が証人として協力してくれるような事案でない限り、事実認定にはかなりの労苦を要していたからです(運転当事者は責任回避のために自らに有利な供述をする場合があり、そのような意思がなかったとしても、「黄色で交差点に進入した」との供述の前提となる「黄色を確認した地点」が、詳しく質すと、実際には交差点のかなり手前であり、黄色を見た後は事故発生まで信号を確認していなかった=交差点進入時点での対面信号の確認をしていないという事案がありました。)。 また、仮に目撃者が証人になってくれたとしても、その目撃者と運転当事者との関係性のチェックのほか、事故の発生をどの位置からどのようなタイミングで目撃したか(どうして目撃することができたのか)、衝突態様の説明に記憶違いがないか(表現上の問題)、記憶どおり証言したつもりであっても、目撃者の主観、想像ないし思い込みが紛れていないか(客観性の担保)、事実経過の説明文言の選択に問題はないか(速度が速い、衝突の衝撃がすごい、衝撃音が大きいなどの感じ方や評価に左右される文言において誇張がなく適切に選択されているか)などの検証が欠かせません。 そういった趣旨からも、今後、ますますドラレコの映像が証拠価値の高いものとなるでしょう。 値段も徐々にリーズナブルなものになってきましたので、相手方の言い分が自らの認識と異なる(相手方がうそをつくことも…)場合に備えて、広く自動車の運転者に利用されることを期待しています。 次回は、ドラレコによって早期の解決(又は適切な解決指針の提案)につながった事例を紹介したいと思います。



